文学部長 中野 達哉(なかの・たつや)先生
文学部 歴史学科 日本史学専攻
歴史学科では「アーカイブズ基礎講座」と「埋蔵文化財保護技師講座」の2つの副コースを設置しています。定められた専門教育科目を体系的に履修し、所定の授業科目及び単位数を満たすことにより、専門性の高い知識と技能を修得することが期待できます。該当するコースを修了すると「コース修了証」が発行され、一定の学修成果を満たしたことが証明されます。
アーカイブズ基礎講座
「アーカイブズ」とは歴史的な価値が認められ、記録史料となった文書自体あるいは、それを収集・保存・公開する施設のことをいい、それを取り扱う専門職をアーキビストといいます。現代社会において、国や地方自治体の政治、各種企業や団体の活動には、その活動に対しての説明責任が社会から求められ、そこで作成され、機能した文書等が重要な意味を持ちます。一般企業においても、文書を正しく取り扱い、管理することが必要となります。現代だけではなく、古代からの文書の保存、活用・公開に関する基礎知識や歴史を学び、社会に出て活動していく上で役立つ知識・能力を修得してほしいというのがこの「アーカイブズ基礎講座」です。
埋蔵文化財保護技師講座
「埋蔵文化財」とは、土地に埋蔵されている文化財のことであり、取り扱いは文化財保護法によって厳密に定められており、大学で歴史学や考古学を学んだ者が発掘調査を行っています。「埋蔵文化財保護技師講座」では、学内や協力自治体での専門的な指導に加え協定先の企業が実施する自然科学分析のインターンシップを通じて、長期的で高度な研鑽の機会を設け、埋蔵文化財を保護・活用していく上で必要な専門的知識の修得を目指します。
どちらの講座も4年次には実習を行います。今年度の「アーカイブズ基礎講座」では、実際に埼玉県秩父市で古文書調査を行い、また、公文書館に行き、アーキビストに学びながら、公文書の選別作業を行います。「埋蔵文化財保護技師講座」では、自治体と協力して埋蔵文化財の普及・啓発事業を行います。
学芸員志望の学生だけなく、基本的な知識があるということは就職活動の際にきっと学生たちにプラスとなります。この基礎講座で身につけた知識を、これからのキャリア形成に活かしていってほしいと思います。