NOZOKIMI LAB

楽しみながら社会人に必要な実践力が学べる!部活、サークル“マネージャー”座談会

部活やサークルを支えるマネージャー、そして組織の運営を管理するマネジメント業務――。その魅力や将来につながることを、部活動、サークルそれぞれの方に聞きました。

清 みなみさん

経営学部経営学科4年。アイススケート部のマネージャー長として10人のマネージャーを統括する。

神谷 咲さん

文学部地理学科4年。ヨット部でプレイヤーとして活動した後、マネージャーに。小型船舶免許を持つ。

荒牧 礁さん

文学部英米文学科3年。電気美術研究部で幹事長を務め、イベントの裏方である「音響」と「照明」をまとめる。

井上 寿純さん

文学部国文学科4年。手話を聾(ろう)文化・聴覚障害に関する勉強と共に学び「伝える力」を育む手話サークル『かえで』前会長。

大学ならではの
本格的な活動ができる

インタビュアー
本日は、部活やサークルを支えるマネージャーやマネジメント業務についてうかがいたいと思います。まず、マネージャーになられた経緯を教えてください。
清 みなみさん
私はたまたま「サークルフェスティバル」(※1)でアイスホッケー部の説明を聞いて。誘われた試合の日程が他よりも早くあったので、観にいったら一目惚れしてマネージャーになりました。もともと知識はゼロです。
※1 毎年、入学式の日とその翌日に行われる部活・サークルを紹介する催し
神谷 咲さん
私も同じ。手話とか知らなかったんですが、サークルフェスティバルの時に色々回っていて、先輩が優しくて雰囲気があたたかかったので入りました。
井上 寿純さん
私はもともとプレイヤーとして入部しました。1年やって結果も残せて部員も増えてきたので、2年になってマネージャーに志願しました。
荒牧 礁さん
自分は高校の時に軽音楽部で裏方をやっていて、音作りに興味があったので電気美術研究部で音響担当になりました。
インタビュアー
それぞれの業務内容を教えてください。
清 みなみさん
通常の練習では、ビデオ撮影やタイム計測、水分補給のボトル作りや怪我の手当で、合宿中はそれに加えて洗濯などもします。試合の時はチケット販売も担当します。
清 みなみさん
あと、事務的な業務だと、試合や合宿、運営の手続きの書類を作ったり。
インタビュアー
多岐にわたりますね。
清 みなみさん
私の時は部にマネージャーが10人いたので、持ち回りでする感じです。
神谷 咲さん
ヨット部のマネージャーは海上でのサポート業務があるので、小型船舶免許を必ず取らないといけないんですが、転覆した時にレスキュー艇に乗って助けたり、コースの目印になるマークを配置したりします。試合時はコースを作る手伝いもしたり、運営の手伝いもしますね。
インタビュアー
すごく本格的ですね!まさに大学の部活動ならでは。
神谷 咲さん
そうですね、危険を伴うスポーツなので。あと、OB・OGの方と常日頃から連絡を取る業務も大事なんです。
清 みなみさん
分かる!OBの方との繋がりは大事ですよね。
インタビュアー
それはどういうことですか?
神谷 咲さん
合宿中は泊まり込みで海の方にいるんですが、OBの方からよく差し入れで食糧を送ってもらっているんです。なので、日頃から連絡を密に取っています。
清 みなみさん
私たちも個人的な連絡だったりOB交流戦の時に、ひたすらコミュニケーションを取ってます。アイススケートは練習に使うリンク代がすごく高いので、OB会費が多く集まれば、その分練習回数が増えるので。
インタビュアー
それは目上の方との接し方や人付き合いの力が身につきますね。

苦楽を共有し
成果を実感できるのが魅力

荒牧 礁さん
電気美術研究部は音響と照明で専門が分かれていて、幹事長の仕事は、まずそれぞれイベントの現場の担当者を手配します。
インタビュアー
ディレクター的な役回りですね。
荒牧 礁さん
あと、オファーが来たイベントを予算とその時の人員の状況を鑑みて、受けるかどうかを判断したり。
インタビュアー
運営的なことまで。一般的な会社とほとんど同じですね。イベントのオファーは学外からもあるのですか?
荒牧 礁さん
ありますね。イベントは音楽だけではなく例えばOBの方から防災イベントの依頼があったり、多彩な現場を学べます。裏方なので基本的に受託仕事なのですが、年に1回主催で音楽ライブを開催したり。
井上 寿純さん
うちのサークルは運営組織の役員が10人いて、企画や渉外など各担当に分かれているのですが、会長はその組織を統括するのが主な仕事です。
インタビュアー
いわゆる管理職。
井上 寿純さん
ですね。「オータムフェスティバル」(※2)の企画運営は会長の仕事なのですが、その他は普段の活動やイベントのサポートもします。

※2 毎年11月に2日間行われる大学祭。サークル活動体験や音楽ライブ、ミスミスター駒澤コンテストなどが催される。
インタビュアー
皆さんそれぞれ活動が実践的ですが、どういった時にやりがいを感じますか?
神谷 咲さん
良い成績を残して全日本を目指すというのが部全体の目標なので、たとえば練習の時に強豪校に近づけた時は「頑張ってよかった」と思いますね。
荒牧 礁さん
成果を実感できた時は感慨深いですよね。イベントが成功した後で依頼主から「ありがとうございます!」って感謝されたら疲れが吹き飛びます。特に大きいイベントだとなおさら。
清 みなみさん
私は選手を一番近くでサポートできることですね。選手は怪我を乗り越えたりスランプがあったり、一人ひとり物語があって、それを間近で見ながら支えられるのが魅力。
インタビュアー
苦楽を共有できるのはマネージャーならではですね。マネージャー長という立場は大変そうですが。
清 みなみさん
大変なこともありますが、みんな協力的で自分の意見もちゃんと言ってくれる雰囲気なので楽しいです!
井上 寿純さん
確かに部内の雰囲気って大事。うちのサークルは、みんな社会福祉に興味があるわけじゃなく、私と同じで楽しいから参加している人が多いんです。みんなそれぞれゼミやバイトとか色んな居場所があって、そのひとつとしてこのサークルがあるので、普段の活動でみんなが楽しくしている時にしみじみ喜びを感じますね。

自分が成長できたことを
実感します!

インタビュアー
では最後に、マネージャーやマネジメント業務をやってきて身についたことを教えてください。
清 みなみさん
色々あるんですけど、まずOBとか目上の方と接することが多いので、社会と接する経験ができたことが大きいです。他大学の方とも接するので渉外力もつきましたね。
荒牧 礁さん
まさにそう。依頼者と立場は違いますが「いいイベントにする」という目標は同じなので、部に入る前よりコミュニケーション能力が向上しました。
清 みなみさん
あとは先読みする力。例えば合宿のプランなど、頭の中でさまざまな場面を想定してスケジューリングしたり、考える力も養われます。
インタビュアー
そのまま社会人として実践で使えますね。
荒牧 礁さん
そうですね。自然と“ホウレンソウ”(報告、連絡、相談)が身に付いていたり。あと、場面場面で個人と全体を分けてみる状況判断能力も。
神谷 咲さん
視野が広くなりますよね。私もプレイヤーの時は自分しか見えてなかったのですが、マネージャーになって全体を俯瞰で見て、今どういう状態か見極められる客観的な視点が身に付きました。
インタビュアー
目の前のことだけじゃなく全体を見て長期的なスパンで考えることは、どんな仕事でも大事です。
井上 寿純さん
皆さんが言われていることを本当に実感します。私は会長としてサークルの運営をしていたので、周りを巻き込んでいく力がついたかな、と思います。トップダウンでやってもらうのではなく、“楽しさ”で巻き込んで運営していくこと。
インタビュアー
それぞれ形は違えど社会に出る為の実践力が培われるんですね。
清 みなみさん
本当にそう。苦しい時もありますが、その分、自分の成長を実感できる。振り返ってみて、いいことしかないので部活やサークルに参加することをおすすめします!

取材時期:2019年7月

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