NOZOKIMI LAB

AKB48方式で切磋琢磨、誰もが成長するゼミ

かつて大学生だったとき、履修した科目を100%出席したという中村先生。おかげで、学生が興味を抱く教え方を学んだとか。そんな先生に、人気の授業の秘密やゼミの様子をお聞きしました。

中村 公一 教授

身近なものに落とし込んで学ぶ経営戦略論

インタビュアー
中村先生、今日は先生や駒澤大学について、色々とお伺いできればと思います。
中村公一 教授
なんでも聞いてください! どうぞ宜しくお願いします。
インタビュアー
まず、先生のご専門から教えてください。
中村公一 教授
経営戦略論です。なかでも、M&A(合併・買収)ですね。
インタビュアー
それは、どんな学問ですか?
中村公一 教授
簡単にいうと、企業が成長して、どのように競合企業と競争していくのかを考える学問です。経営学部の専門科目においては、中核となる科目ですね。
インタビュアー
なんだかちょっと難しそうですが…。
中村公一 教授
たしかに、そう思われるかもしれませんね(笑)。では、わかりやすい例え話をしましょう。お笑い芸人の「ブルゾンちえみ」は、なぜブレイクしたと思いますか?
インタビュアー
うーん、音楽を使ったネタだったり、「With B」がいたからかな?
中村公一 教授
そのとおり。これまでにないクールな音楽+イケメン+お笑い、さらに緻密に構成されているというスタイルが視聴者に新鮮に映ったからです。こんなふうにして、成功や失敗のメカニズムを探るのが経営戦略論です。
インタビュアー
なるほど! わかりやすいです!
中村公一 教授
私の授業では、実際の企業をはじめ、漫画や芸能人など身近なものに落とし込んで教えるので、興味をもって受けられると思いますよ。

駒大に入学するより難しい?!人気ゼミの秘密

インタビュアー
そういえば、大学にはゼミがあると聞きましたが、ゼミって何ですか?
中村公一 教授
一方的に講義を受ける授業とは異なり、あるテーマに基づいて自主的に学び、発表する学生主体の授業です。うちのゼミでは、カリキュラムはプログラム化されており、AKB48方式を採用しています。
インタビュアー
AKB?! それって、どういう意味ですか?
中村公一 教授
ゼミに入ってから、卒業するまでの期間をフル活用し、すべての課題やプロジェクトを全員参加で行います。個人で提出するレポートから、チームを結成して発表するプレゼンまですべて評価の対象とし、互いに競い合うようにしているんです。そして、年間でチャンピオンを決定するというわけです。
インタビュアー
互いに切磋琢磨し合うわけですね?
中村公一 教授
そのとおり。プレゼンはチーム対抗戦とし、その都度、メンバーをシャッフルします。そうすることで、誰もがリーダーを経験したり、リーダーをフォローする役に回ったりします。
年に2回、大きなプレゼン大会を開催しますが、8分間の発表のために、30時間以上を準備に費やし、みんなすごく気合いが入りますよ。伝えたいことがきちんと伝わるように、エンターテイメント性も盛り込んで、工夫を凝らしています。
インタビュアー
なんだかおもしろそうですね!
中村公一 教授
1年次の11月にゼミが決まるのですが、ウチのゼミに入るのは、駒大に入学するよりも難しいといわれます(笑)。 ゼミの定員が16人のところ、110人以上の希望者がやって来たこともありますよ。

ゼミもバイトもサークルもいろいろ経験せよ

インタビュアー
それにしても、大学での授業は高校までとずいぶん違う感じがします。
中村公一 教授
そうですね。机上にとどまらず、実践的な学びができますからね。
たとえば、ウチのゼミでは世田谷区奥沢の商店会の方と一緒に、ここ2年ほど、街の活性化に貢献しようと、「メキシコフィエスタ」というイベントの企画やワークショップを開催しています。商店会も、ワークショップ参加者も、中村ゼミも、三者がそれぞれメリットを享受できるようにしようと、企画から当日の運営までを学生が中心となって行いました。また、実際の企業とも守秘義務契約をしたうえで共同プロジェクトを行っています。こうしたことができるのは、大学ならではですね。
インタビュアー
スゴイです!  私もやってみたくなりました。
中村公一 教授
ついゼミの話が多くなってしまいましたが(笑)、ゼミだけでなく、大学生活ではサークルもバイトもいろいろ取り組んでもらいたいと思います。いろんなことを同時にやることで、経験が蓄積されて、コミュニケーション力やマネジメント力なども高まり、人としての幅が広がりますから。
インタビュアー
はい、わかりました! では最後に、10代で読んでおきたいオススメ本を教えてください。
中村公一 教授
京セラやKDDIの創業者であり、JALを再建した稲盛和夫氏の『生き方-人間として一番大切なこと』(著:稲盛和夫)ですね。人生とは「考え方×熱意×能力」の掛け算。考え方次第で、大きくプラスにも0にもなる。だからこそ、考え方が大切なのだと教えてくれます。

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