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【学問NEWS】将来のための知識を育てる駒大の「実践的な学び」

大学生活の意義とは、自らの意思で選び取った専門的な知識を体系的に学習し、知見を広め、将来に備えること。社会に出てからも大いに役立つ知識・能力の修得には、実践的に学ぶことが大切です。
ここでは駒澤大学の実践的な学びにフォーカスを当て、ふたつの学びを紹介します。

学び①:実践的な英語を学べる「語学教育」

専門分野の学びを支えるひとつとして語学を極めることが挙げられます。総合教育研究部 外国語第一部門(英語)では、必修科目の英語の授業を入学時に実施する実力テストによってクラス分けをし、一人ひとりが適切なレベルで英語力を伸ばせるようにしています。外国語第一部門で指導を行う中村哲子先生は、「皆さんが目標を持って英語を学んでほしい」と話します。

選択科目では、学年や学部・学科に関係なく同じクラスで学び、多様な学生が一緒に切磋琢磨。1年生は高学年のロールモデルとなる先輩と同じ教場で学ぶことにもなります。

授業では、コンピューターを備えた教場でインターネットも活用しながらリスニングやスピーキングの訓練を行ったり、一般教場で課題ライティングを交換し合ってグループで議論したりもします。コロナ禍でのオンライン授業では、例えばノーベル賞についてさまざまな側面から英語で学び、学生自らもいろいろと調べて、WEB会議システムを活用したリアルタイム授業で、英語で発表を行うといったこともします。

「ひとつのトピックについて多角的に学ぶと、ひと味違った手応えを得て、自信がつくものなんですよ」と中村先生。

選択科目で英語を精力的に学び、派遣留学生として海外で経験を積む機会を得た学生や、卒業後オーストラリアへ旅立った学生もいます。中村先生は、「英語を磨くことで新たな世界に目が開かれて、新たな自分に出会えるチャンスが得られることにつながります」と笑顔で語ってくれました。

プロフィール
中村哲子先生 総合教育研究部 外国語第一部門(英語)

小学校5年生のときに聞き始めたNHKのラジオ講座をきっかけに、英語が好きになる。慶應義塾大学大学院、英国ノッティンガム大学大学院で学び、日本医科大学を経て2014年より駒澤大学の教壇に立つ。主な研究分野はアイルランド文学・文化研究。

学び②:最先端医療機器で学ぶ診療放射線技師のスキル

「医療健康科学部 診療放射線技術科学科」では、医療画像と放射線治療のプロフェッショナルを育成するため、専門性を重視した科目を体系的に学んでいます。

放射線治療は、外科的治療や薬物療法と並んで、がん治療の三本柱のひとつ。そのスキルを習得するための学びの場があります。

なかでも注目は、2018年に開設された「駒澤大学-VARIAN 放射線治療人材教育センター」。ここでは、アメリカの医療機器メーカー・バリアン社のハイエンド高精度放射線治療装置「医療用直線加速装置 TrueBeam®」を使って、最新の放射線技術を学ぶことができます。これは国内の放射線治療施設で導入が進む最新機器で、教育機関で設置されているのは駒澤大学のみ。

「一般的にがんの治療方法は、外科的治療や放射線治療、薬物治療などが挙げられます。外科技術が高い日本では手術で腫瘍を取り除く方法が主流でしたが、テクノロジーや医療技術が進歩し、放射線と化学療法を併用して体への侵襲を最小限にしながら根治可能な症例も増えてきました。しかし、放射線治療を専門とする医師や診療放射線技師が少ないのが現状です」と話すのは、医療健康科学部の藤田幸男先生。

この場所で実際に治療を行うわけではありませんが、実機学習を通して放射線治療技術の基礎スキルを身につけることは、臨床の現場でも大きく役立つといいます。

「実際の治療では、目に見えない放射線をミリ単位で制御する高度な技術が求められます。実機トレーニングで経験を積めるのはすごく贅沢な機会だと思いますよ」

放射線治療人材育成センターは医療健康科学部の学習の場として活用するのはもちろん、ときには医療従事者や技術者たちが訪れることも。学生たちにとって、そういったプロフェッショナルたちと時間をともにすることも、就業後の自らの姿をイメージするきっかけになるそう。

今や日本人のふたりにひとりががんにかかると言われている時代。今後ますます必要とされる分野で、第一線で活躍できる診療放射線技師への出発点がここにあります。

プロフィール
東京都立保健科学大学、首都大学東京大学院を経て臨床の現場へ。学生時代、恩師との出会いをきっかけに放射線治療の分野に進む道を選ぶ。授業では医療現場での経験談なども多く語られ、臨場感あふれる講義が行われている。

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