駒澤大学でやりたかったこと、将来の夢はなんですか?
診療放射線技師の道で 専門性を高めるために。
診療放射線学専攻 修士課程2年 酒井 海渡
Profile
駒澤大学高校出身。週2日がん専門の病院で診療放射線技師として実際に患者さんと接している。大学と病院での研究・自身の論文執筆、資格取得のための勉強にと忙しい毎日を送っている酒井さん。休日はドライブを楽しむなど、リフレッシュをして休息をしっかりとることが、また来週も頑張れる秘訣だそう。
▶︎ 今、何に一番熱中していますか?
患者さんの体内で放射線がどのような分布をするのか、計算された線量分布(放射線がどれくらい当たっているかの度合い)が本当にそれで合っているのかを、別の計算装置で検証するということを、実際に倫理審査を通った患者さんのデータを使って病院で研究をしています。
▶︎ 1週間のスケジュール
私の場合、大学で医学物理学を学んでいる以上は、もっと知識を身につけたいと感じていたこともあり、2年次の後期からは、毎日ゼミで勉強や実験を行い、プラスアルファの学びをしていました。大学院への進学を考え出したのもその頃です。
大学院に進学する理由や目的は人それぞれ違っていて、私のような放射線治療の研究だけでなく、AIの研究をしている学生もいます。より求められる人材となるには自分自身の専門性を高めたいということが進学する理由の一つになると私は思います。
現在は、診療放射線技師として病院で週2日働きながら、医学物理士の資格取得を目指し、勉強と研究を重ねています。医学物理士は国家資格ではないので、必ずしも必要というものではありませんが、放射線を用いた医療が適切に実施されるよう、医学物理学の観点から貢献することができるプロフェッショナルです。効果的な線量分布や、放射線を体内の腫瘍に確実に当てることは大切ですが、それを求め過ぎてしまうと、患者さんの身体の負担になってしまうデメリットもあります。放射線治療を行う患者さんは痛みを伴う方やご高齢の方も多く、装置の台にずっと寝ていられる人ばかりではありません。そうしたことも考慮し、一人ひとりに最適な治療計画が立てられるようになれば、一人前なのかなというように感じています。
実際に医療の現場において、医師や診療放射線技師、看護師など他職種とのコミュニケーションを円滑に行うことの大切さを実感します。よりよい放射線治療を行うために、周りからも、患者さんからも信頼される人間でありたいと思っています。
2022年4月にパシフィコ横浜で行われた「第123回日本医学物理学会学術大会」で酒井さんの研究成果が採択され、口頭発表を行いました。
学会は新しい研究が発表される場なので、院生は積極的に参加することが求められます。自分という研究者を知っていただく機会であり、情報共有・交換の場でもあります。研究者、診療放射線技師や医師だけでなく企業の人も参加されるので、様々な意見を聞くことができ、自分の研究にもプラスとなります。スライド発表も質疑応答も全て英語で行われるので、学会に参加する上で英語は必ず必要になります。日常会話とは違いますが、頻出単語や決まった言い回しがあり、文章作成のアドバイスも先生から頂けるので、英語が得意ではないという人も、徐々に慣れることができます。
▶︎ カバンの中身紹介
- ※カバンの中身は今回ありません