大学と並行して専門学校でも試験勉強に注力
永山さんが公務員を志望したきっかけは?
大学で資格取得に強い専門学校の授業を受講したことが大きかったです。その時に行われた小テストで成績優秀者に選ばれ、公務員試験講座の授業料が5割引になるということで、3年生の冬場に入学して勉強を始めました。
専門学校では具体的にどのようなことを学びましたか。
おもに一次の筆記試験の対策です。特に、公務員試験で重要とされる数的処理の勉強に力を入れました。問いの傾向としては「いびつな四角形が回転したらどういう軌道を描くか」といった想像力の必要なものが多く、いろいろな問題を解くことで力を養いました。
公務員試験は、一次の筆記をパスしたら二次で人物試験の面接、職種によって三次の採用面接試験があるという流れでしょうか。
そうですね。僕は国家専門職の中の国税専門官試験を受けたのですが、就職の意思を聞かれる三次試験までありました。二次面接の後には囲い込みの電話をいただき、面接を高く評価していただいたことに満足感を得ました。
一口に公務員といっても多様な職種がありますが、永山さんが国税専門官を選んだ理由は?
正直に話すと、当初は職種を絞り込めなかったので、色々な試験を受けたというのが実情です。結果として関心の高かった国税専門官の試験に合格できたので、うれしかったですね。
ゼミで学んだ民法の知識が役立ちました
公務員試験を受けるにあたり、大学における学びでもっとも役立ったことを教えてください。
何よりもゼミです。僕は熊谷芝青先生のゼミで民法の基礎について学びました。特に役立ったのが判例の研究で、毎週毎週「民法判例百選」から自分が研究したい判例を選び、レポートにまとめるという学びをしていたおかげで、民法に関して深い知識を身に付けられたと思います。
民法は国税専門官の試験とも関わりがありそうですね。
そうですね。僕は国税専門官の筆記試験の記述問題で民法を選びましたが、その問題が判例として研究していたものだったので、スラスラ解けました。
ゼミは任意ですが、何かしら興味のあるクラスに入った方が、より深い知識を蓄えられそうです。
僕も初めは友だちづくりのような気持ちで入りましたが、グループワークなどはとてもためになりましたし、どんな職業に就くにしても役立つと思います。
ゼミ以外に経験しておいて良かったと思うことはありますか。
学外の話になりますが、アルバイトですね。僕は国税専門官試験の面接の際、アルバイト先に来た飲酒運転のお客さんを通報したエピソードを話しました。自分で言うのはおこがましいのですが、不正を許せない正義感をアピールできたことが、合否に直結したと思っています。いずれにせよ、アルバイトは社会経験として必ずプラスになるはずです。
目指すのは周囲に頼られる国税専門官
永山さんはこれから研修を経て社会人になるわけですが、仕事を通してこういう人物になりたいという目標はありますか。
僕は法学部在籍で、法学・法律の基礎知識にはある程度の自信があります。駒澤大学で学んだことを国税専門官の仕事に活かし、弁護士さんや税理士さんといった職業の人たちと同じように、頼られる存在になりたいですね。
確かに、法律に詳しい人は頼もしいですね!
大学で法律を学ぶとなると、多くの人が弁護士という職業をイメージすると思います。僕自身、アルバイト先などで法学部に在籍していることを伝えると、「将来は弁護士になるの?」と聞かれることがほとんどです。でも、弁護士を目指さない人にとっても、法律は一般教養としてすごくおもしろい世界なんです。
具体的にはどのようなところにおもしろさを感じましたか。
自分の場合は、判決文からさまざまなことを考察するのが興味深かったし、勉強を続けることで判決文そのものを読めるようになったことに成長を感じることができました。一般の人は判決文のような堅苦しい文章を読む気にならないと思いますが、読めるようになると、実際にあった有名な事件でどんな判決が下され、どんな条文が使われたのかを読書感覚で理解できるようになり、とてもおもしろく感じます。
法律を学ぶこと、どんな人にとっても価値がありそうですね。
弁護士を目指す方はもちろん、そうでない方でもおもしろく感じるはずです。僕の経験からすると、公務員を目指すのであれば絶対に法学部がいいと思います!