NOZOKIMI LAB

マーケティングの実践力と論理的思考力の両面が鍛えられる!

インターネットが常態化し、可能性が広がったマーケティング・コミュニケーション
その現場を経た中野先生が大事にしている「思考力を培う実践的な学びの場」とは——。

中野ゼミ

中野 香織先生

早稲田大学商学部卒業、同大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得満期退学。広告会社勤務を経て、現在駒澤大学経営学部市場戦略学科教授。主な著書に『わかりやすいマーケティング・コミュニケーションと広告 第2版』(共著・八千代出版)、『クリエイティブビジネス論』(共著・学文社)など。また、論文は「広告と製品レビューの組み合わせが消費者のブランド態度に与える影響 ―露出順序と製品レビューのヴァレンスに着目して」『日経広告研究所報』296号。

大沼 俊介さん

経営学部市場戦略学科4年。「中野ゼミは先生との距離が近く、プレゼン力に繋がるコミュニケーション能力が高まります!」

高田 裕香さん

経営学部市場戦略学科4年。「ゼミで、みんなで一つのことに向かってがんばることは、貴重な体験。私の第2の青春です」

将来に繋がる
グループワークを現場で体感

インタビュアー
中野先生、ゼミ生のみなさん、本日はよろしくお願いします!まず最初にゼミのテーマをお教えください。
中野 香織先生
よろしくお願いします!ゼミのテーマはマーケティング・コミュニケーション論です。分かりやすく言えば、広告や販売促進などを介して企業が消費者に情報を伝え、それを見て消費者にファンになってもらったり最終的に買ってもうことを目的とした情報発信、情報伝達を研究しています。
インタビュアー
マーケティングは、いま高校生の間でも注目されていますね。
中野 香織先生
そうですね。昔はマーケティングといえば広告と販売促進、営業などの人的販売やパブリシティだったのですが、今は店舗そのものやパッケージ、商品ロゴなど範囲がかなり広がってきています。
インタビュアー
WEBマーケティングも取り扱っているのですか?
中野 香織先生
はい。卒業論文でSNSやWEBマーケティングを研究する学生が増えてきていますね。
インタビュアー
最新のトレンドもフォローしている。ゼミは座学が中心ですか?
中野 香織先生
いわゆる座学で知識をインプットするのは4ヶ月くらい。それより1つのテーマを決めて、それを研究して学術的な何かをみつけていく研究のアウトプットがほとんどです。
大沼 俊介さん
うちのゼミは、学内ではなく企業や他大学など外との交流を積極的にしているんです。
インタビュアー
例えばどういった交流ですか?
大沼 俊介さん
2年生からゼミが始まって、まず最初に5、6大学合同のマーケティング研究発表大会『MRGP』に参加します。これは一つのテーマを与えられて、学術的に研究し、複数の論文を元に独自の仮説をたてて立証する内容です。最後に論文をパワーポイントでまとめ、プレゼンテーションをして評価をされます。
インタビュアー
いきなり実践的な内容!参加されて何が印象に残っていますか?
大沼 俊介さん
これは5人一組のグループワークで行うのですが、右も左も分からない状態でいきなりはじめるので大変でした。それぞれの人間性に合った役割やメンバーの関係性を考えながら、チームとして機能するのに数ヶ月かかりましたね。
インタビュアー
会社のプロジェクトチームみたいですね。
中野 香織先生
このゼミはグループワークを大事にしているんです。
インタビュアー
それはどういった理由でしょうか?
中野 香織先生
私は社会人として会社で働いていた経験があるのですが、チームで一つの仕事をするとき、いろいろな個性がある中で役割分担をしながら、一つの課題に向き合い、つくり上げていくことの重要さを実感していました。それを学生のときに経験していれば、将来どんな仕事にでも通用すると思って。
インタビュアー
確かにそうですね。大沼さんはグループワークを通してどういう気付きを得ましたか?
大沼 俊介さん
自分だけでは思いつかなかったアイデアが生み出されるのがおもしろいと思います。多角的な視点が鍛えられますね。
大沼 俊介さん
あと先輩たちに教えていただきながら論理的な思考も身につきました。5月から12月まで長期間で行うので、終わった後の達成感がすごかったです。
インタビュアー
2年生から充実した体験ですね。
中野 香織先生
この大会は30チーム前後で競うのですが、審査員が有識者の方で、予選を勝ち抜いたチームだけ決勝に残れてコメントをいただけるので、すごく実践的なんです。
インタビュアー
ビジネスのコンペのようで刺激的ですね!

ビジネスの実践と
アカデミックな両面を学ぶ

インタビュアー
3年生になるとどういった活動になるのでしょうか?
高田 裕香さん
私が一番印象に残っているのはケーススタディのプレゼンです。
インタビュアー
それはどういった内容ですか?
高田 裕香さん
企業から出された課題に対するコミュニケーション戦略のプレゼンで、他の大学とコンペ形式で行います。
中野 香織先生
ここ数年、ある企業の商品が高齢者以外の売り上げが低下していて、若い学生ならではの斬新な視点で考えて欲しい、という課題をいただいていて。
インタビュアー
実際にどういったことをするのでしょうか?
高田 裕香さん
これも5人一組でグループになって、企画書や絵コンテでプロモーションの企画をつくり、企業にプレゼンをするんです。まず、大学内で順位を決めて、勝ち残ったチームが他大学との本戦に進めるのですが、私が所属したチームが学内予選で敗退して……。本当に悔しくて、合宿のときの夜に皆で大泣きしました。
インタビュアー
部活みたいですね!
中野 香織先生
この代は熱い子が多いんです(笑)
大沼 俊介さん
このケーススタディでは、実際に広告で人の心を動かすのは机の上だけではなく、“現場”が大事だと実感しましたね。
インタビュアー
他にはどういった活動がありますか?
中野 香織先生
東京広告協会主催の『FUTURE』という大学生意識調査プロジェクトに参加します。これは、広告やマーケティングを学ぶ大学生が大手広告代理店の指導のもとで調査テーマを決めるところから始まり、夏に調査票を作成し、大学生1000人を対象にしたアンケート調査を学生自ら行った後、分析して報告書としてまとめます。
インタビュアー
これもコンペ形式でしょうか?
中野 香織先生
いえ、こちらは他大学も一緒の一つのチームでつくり上げます。毎週月曜に広告代理店のオフィスに行って議論しながら。このプロジェクトは、最後12月に結果を記者発表して新聞や雑誌、ウェブ媒体などに取り上げられるんです。
インタビュアー
それはやりがいがあっておもしろい!ゼミの活動はビジネスに関わる実務的な内容が多いのですね。
中野 香織先生
マーケティング・コミュニケーションという分野はビジネスありきの学問なので、実務的な側面は外せないのですが、アカデミックな研究や活動も大事にしています。
インタビュアー
例えばどういった活動でしょうか?
中野 香織先生
3年生は11月に日本広告学会学生広告論文賞に応募します。これは伝統のある日本広告学会関東部会が主催で、学生が広告に関する論文を執筆して送る公募で、慶應大学や青山学院大学も参加するので金賞を獲るのが大変なんですが、今年の4年が初めて獲ることができて専門誌にも掲載されました。
インタビュアー
それはすごい。
中野 香織先生
アカデミックな学びは今しかできないですし、論文はとても厳密なロジックが求められるのですが、それは社会人になった後の企画書にも必ず役に立つんです。
インタビュアー
なるほど。中野ゼミではビジネスの実践的な現場とアカデミックな研究の両方が学べるのですね。

誰よりも充実した
大学生活を送れました!

インタビュアー
お話をうかがっていると、とても活動内容が多くて仕事のようですね(笑)
中野 香織先生
そうですね(笑)実際に社会人として企業で働き始めると、複数作業の同時処理をこなさないといけないので、その力も養われると思います。
インタビュアー
それは間違いないですね。ゼミ生はどういった方が多いですか?
大沼 俊介さん
男女比でいえば女子が男子の倍いて、いろいろなキャラクターの人がいますが、根は真面目で負けず嫌いが多いですね。
高田 裕香さん
このゼミはやることが本当に沢山あるので、みんなゼミ中心に真面目に取り組んでいます。
中野 香織先生
そういう人を募集しています。あとグループワークができるかどうか。面接で体験してもらったり。
インタビュアー
真面目に取り組むからこそのやりがいにあふれていることが伝わってきます。お二人はどうして中野ゼミに?
大沼 俊介さん
高校時代は野球と勉強に打ち込んでいたんですが、大学に入って1年生のときは授業とバイトの繰り返しで充実感が無かったんです。それで、何か打ち込むものを見つけたいと思ったときに知ったのが、活動頻度も濃度も高い中野ゼミだったんです。なるべく厳しい環境に身を置いて、卒業した後に大学で何をやったか胸を張って言えるようになりたくて。
インタビュアー
すごくストイックですね!
中野 香織先生
大沼君は本当にストイックで、ケーススタディのときに「もっとレベルの高い環境でプレゼンをやりたい!」と言っていたのが忘れられません。
高田 裕香さん
確かに私も大学に入って友だちができて、楽しく過ごしていましたが、ふと「何のためにこの大学に入ったんだろう」と自問自答して。もともと広告に興味があって駒大に進学したので、やりたいことも学べて、人よりも充実した大学生活が送りたくて中野ゼミに入りました。
インタビュアー
皆さん意欲的ですね。ゼミ生同士の関係性はどうですか?
大沼 俊介さん
同期だけじゃなく上級生、下級生も含めて仲がいいです。分からないことを気軽に聞いたり。
高田 裕香さん
縦の繋がりがここまで密接なのは珍しいよね。よくご飯にも行くし。
インタビュアー
卒業後の就職先はどういった業種が多いですか?
中野 香織先生
広告業界から金融や製薬といった一般的な企業まで幅広いですね。最近はウェブ系の広告会社やIT系が多いです。
インタビュアー
では、先生にとってゼミとはどういう場でしょうか?
中野 香織先生
学びという側面では、普段の授業は大人数で私からの一方通行なので、少人数で一つの課題に取り組むゼミは主体的に考える場だと思います。その中で最も大事にしているのは「思考力」。それは社会人だけでなく、例えば家事の時短など主婦になっても必ず必要なので、とにかく考え抜く訓練をしています。
もう一つの側面でいえば、学生の「帰ってくる場所」であって欲しいなと思っています。
インタビュアー
どちらも既に実現できていると思います。では、お二人にとって中野ゼミの魅力は?
大沼 俊介さん
就活が終わって実感しましたが、素晴らしい修行の場でした。就活は初めて自分のことを客観的に見て、今後社会とどう関わっていくかを考え、それを伝える力が必要なのですが、中野ゼミで論理的な考え方やプレゼン力が鍛えられたので、本当に良かったです。
高田 裕香さん
私は、誰よりも充実した大学生活を送れたと思っています。一般的な大学生活のイメージは、サークルで遊んでバイトして……という感じですが、中野ゼミに入ると、それにプラスして学びの喜びがある。打ち込んでいるときはつらくて「遊びたい」と思うこともありましたが、その分終わった後の達成感がすごいので、本気で大学生活を充実させたい方には最適な場所だと思います!

取材時期:2018年11月

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