学問Q&A

20年後の世界ってどうなっている?

仏教学部

世界は変わる。自分次第で

人工知能(AI)をはじめとしたIT技術がさらに発展し、便利な世の中になっていることでしょう。空想すれば、街には自動運転の車が走り、買い物に行かずともすぐさま必要なものが手に入り、コンビニではロボット店員が対応し、世の中から労働がなくなっている、かもしれません。

しかし、便利な世の中は人々が幸せに暮らす世の中とイコールでしょうか。確かにインターネットや携帯電話、スマートフォンが登場したことによって便利な世の中になりましたが、それがあるために忙しくなったと感じている人は多いと思います。便利なものが反対に私たちを不自由にしているのです。

仏教では一般的に、この世界は世界としてそのままに存在しているのではなく、世界という現象は自己の認識であると考えます。これは「唯物主義」に相対するところの「唯心主義」的思考方法です。つまり、自らがどのように世界を捉えるかによって世界は変わります。

重要なのは自らが正しく認識したその世界において、何を行うのかということです。世界に振り回されるのではなく、正しく世界を認識できる自己を形成する、そのためにまずは日々本を読み、自らを養っていきましょう。

仏教学部: 大澤 邦由(中国仏教・禅)

おすすめ参考文献

菜根譚
洪自誠(著)、中村璋八、石川力山(訳注)、講談社(刊)

『菜根譚』とは明代末期の洪自誠の書で、如何に生きるべきかなどを記した短文集。注釈をした中国哲学の中村と仏教禅学の石川両先生はともに駒澤大学元教授。

仏教の基礎知識
水野弘元(著)、春秋社(刊)

「仏教の基礎知識」とは言うもののかなり専門的かつ難解。しかしながら現代社会との橋渡しをしたうえで話を進めるため、取り組みやすいでしょう。

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