経営学部
労働の選択がさらに重要になる
現在、AIなどの活用が活発化してきており、すでに物流や資金決済などは大きな変化を見せ始めています。よく言われているものは、人間による労働力がAIに取ってかわられるというものですが、この問題は単純労働だけの話ではなく、学歴をある程度もった人たちにも当てはまります。
しかし、理解しておくべきは、経済活動は需要と供給から成り立っているものであり、人々の欲求が需要を生むことで、それに応え供給するための労働が生まれ、その労働の対価が新たな需要を育むのです。つまり、労働がすべてAIに取って代わられたら、労働の対価を得る機会が失われ、AI保有による配当収入でもない限り、所得ゼロ、消費ゼロ、したがって、生産ゼロという社会が誕生することになります。生産ゼロの社会では、AIがモノを作る意味も無くなる可能性もあります。
しかし一方で取って代えることが技術的には可能であったとしても高いコストがかかる仕事もあります。そこでこれから職業を選ぶ人たちは、取って代えづらい仕事を考え、選ぶべきでしょう。
考えさせる教育は常に重要であるとされてきましたが、こうしたことからも、人口減少のなかで大学教育がより一層重要になると考えます。
経営学部: 福田 慎(金融論)