学問Q&A

人工知能が人間を支配しないか心配です。

仏教学部

支配は幻想。惑わされず使いこなそう

近年、人工知能(AI)の急速な発達により、AIが人間を越えて私たちを支配するのではないかという話題が巷をにぎわしていますね。でも、ちょっと冷静に考えてみてください。AIのスイッチをオンにしたりオフにしたりするのは誰かを考えれば悩む必要はないと分かります。

AIは、とっても便利で優れた計算機。これから多くの分野でAIが活用され、さらに豊かな世の中になると思います。しかし人間の代わりになれる分野となれない分野があることを、私たちが認識していないと混乱することになるでしょう。

人間に代わりAIができることを考えてみましょう。例えば、部活や恋愛や人生のことで悩んでいた時、AIに相談したいと思う人はどれくらいいるでしょうか。やはり自分と同じ血が流れた人間に相談したいと考えませんか。また、AIに1+1はと聞いたら100%、2と答えます。しかし1+1の答えを聞いて、2もあるけど他の答えだってあっても良いのでは! と反応する人間の方が面白いと思いませんか。

私はAIが人間を支配するという心配より、AIが人間を越えられると幻想することのほうが危険な気がします。人間がAIを上手に使いこなしてこそ、AIの存在意義があると思います。

仏教学部: 村松 哲文(禅美術)

おすすめ参考文献

『斎藤孝のざっくり!美術史――5つの基準で選んだ世界の巨匠50人』
斎藤 孝(著)祥伝社(黄金文庫)(刊)

美術品の鑑賞の仕方を著者独自の視点から、優しく教えてくれる本です。これまで美術品の前を数十秒で素通りしていた人が、何分も立ち止まりたくなるような方法を、具体的な作品を例に解説してくれます。

『画題でみる禅画入門――白隠・千崖を中心に』
浅井 京子(著)淡交社(刊)

難しいといわれる禅画について、数々の禅画を残した禅僧、白隠と千崖の作品を使って、具体的に分かりやすく解説してくれる本です。これまで禅画に興味を持っていなかった人にもおすすめの一冊です。

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