学問Q&A

人工知能が人間を支配しないか心配です。

医療健康科学部

人にしかできないことを考えよう

今の医療現場はさまざまな記録や手続きなどが多く、医療職者は多くの時間をパソコンに向かった作業に費やしており、患者さんと向き合える時間はわずかです。記録や手続きといった作業を人工知能(AI)に任せられるようになれば、患者さんとの大切な時間を増やし、さらに人に寄り添った医療を実現できるはずです。

また残念ながら、この世には治せない病気がまだまだたくさんあります。そういった病気の膨大なデータの分析にAIを駆使することで、病気を治すヒントを得ることができます。そのためには、どのようなデータをAIに入力するのか、AIが出した結果をどのように解釈するのかなど、やらなければならない仕事がたくさんあります。

これからの時代、AIに使われるのではなく、AIを使いこなす医療職者が必須となるでしょう。手間のかかることはAIに代わってもらい、患者対応や研究など、人にしかできないことを考える必要があります。

医療健康科学部: 馬込 大貴(医学物理・画像解析学)

おすすめ参考文献

医療AIとディープラーニングシリーズ 医用画像ディープラーニング入門
藤田 広志(著)オーム社(刊)

人工知能(AI)と医療(主に画像)とのかかわりを詳しく解説しています。具体的な医療現場におけるAIの応用例、研究例を掲載し、医療AIの今が理解できます。

最短コースでわかる ディープラーニングの数学
赤石 雅典(著)日経BP(刊)

人工知能を用いた技術のひとつで、十分なデータを学習することで必要な特徴を自動的に抽出してくれる 「ディープラーニング」の理解には欠かせない数学を、やさしく解説しています。AIの本質は数学であり、微分やベクトル、行列、確率といった高校からの数学でAIの仕組みが理解できるようになっています。

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