仏教学部
輪廻を引き起こすものである
みなさんは日本のお坊さんが結婚していることを知っているでしょう。しかし仏教が始まったインドのお坊さんは結婚できませんでした。
仏教の開祖であるお釈迦さまは生まれてすぐにお母さんが亡くなり、お母さんの妹がお母さんの代わりとして愛情をもってお釈迦さまを育てました。しかし、何かものたりないものがあったのでしょう。お釈迦さまの結婚観にはこの幼少期の体験が決定的に影響しているようです。
お釈迦さまは若い頃、お見合いでヤショーダラーという女性と結婚して、子どもをさずかります。しかし、子どもに「妨げ(ラーフラ)」という名前をつけ、さらには妻と子どもを置いて修行の道に入ってしまいます。お釈迦さまは悟りを開かれた後、実家に戻ったときにヤショーダラーの同意なく息子・ラーフラを出家させ、その家は途絶えることになります。
お釈迦さまの結婚生活はまさに“サイテー”と言われるようなものですが、幼少期の愛の不足からおきる根深い連鎖に気づかれていたのではないでしょうか。ただ一般の仏教信者には結婚を禁止せず、日本のお坊さんの多くは結婚しています。それはなぜか、仏教学部で一緒に考えてみましょう。
仏教学部: 藤井 淳(日本仏教)