経済学部
社会の暮らしやすさを映し出す鏡
結婚の位置づけは時代とともに変わってきています。昔の日本では、結婚はして当たり前でした。1950年における日本の生涯未婚率は男性1.45%、女性1.35%で、ほとんどの人が結婚していました。この頃は規範意識が強かったので、結婚とは「すべきもの」だったと考えられます。その後、結婚とは「すべきもの」ではなく「個人の自由」という色合いが強くなりました。
ですが、結婚したくない人が増えたわけではありません。いずれは結婚しようと考える未婚者の割合を見ると、2015年では18~34歳の男性は85.7%、女性は89.3%と依然として高いです。結婚は「すべきもの」から「したいもの」へと変化したのです。一方、2015年の生涯未婚率は男性23.37%、女性14.06%とかなり上昇しています。
このことは、結婚したくても結婚できていない人が一定程度いることを示しています。この原因としては、例えば、お見合い文化の弱体化やワーキングプアの増加などが挙げられます。これらは時代の変化に社会が追い付けていないために生じる問題であり、解決すべき課題です。結婚とは「社会の暮らしやすさを映し出す鏡」なのです。
経済学部: 増田 幹人(経済人口学)