経営学部
「相手が好きなこと」を考えてみよう
「好きなことで、生きていく」は、2014年にYouTube Japanがユーザー数を増やすために打ち出したキャッチコピーです。動画を投稿することは、「再生数はどうなるか」とか「いい評価がつくだろうか」、あるいは「炎上しないだろうか」などといったように視聴者の反応を期待しているわけです。だからこの文脈の「好きなこと」とは、「自分が好きなこと」だけではなく、自分以外の誰か、つまり「相手が好きなこと」が含まれているわけです。
「自分が好きなこと」でも、誰も欲しがっていない商品を押し売りすることには限界があります。「相手が好きなこと」、つまりニーズを調査し、彼ら彼女らにアプローチをかけていくことが基本となります。「好きなことで、生きていく」という言葉も、多くの人が抱いていたニーズをとらえているから話題になるわけです。
経営学やマーケティングは「自分だけが好きなこと」で完結するものではありません。だから「相手が好きなこと」を考える必要があります。それと同時に、「自分が好きなこと」も考えることが大事です。この努力の結果として、世界が「みんなが好きなこと」でいっぱいになるといいですね。
経営学部: 小野瀬 拡(ベンチャー企業論)