学問Q&A

友達と上手く付き合うにはどうすれば良いでしょうか?

文学部

お互いの「課題」と向き合おう

人にはその時々で、何かしら取り組むべき「課題」があるもの。何かと忙しい高校時代ならなおさらでしょう。例えば、受験に向けて勉強に集中するとか、部活動での役割を果たすとか、アルバイトを頑張るなど、まさにその時期にエネルギーを注ぐべき「課題」がある。高校時代は、他人のことより自分のことで精一杯なんですね。友達関係においても、そのようにお互いの課題があることをわかってあげることは、とても大事なこと。
このようなそれぞれの「課題」を意識することを、アドラー心理学では「課題の分離」と言っています。「課題の分離」とは「どこまでが〈自分の課題〉で、どこまでが〈相手の課題〉かを考えたり、相手と話し合ったりすること」です。だから友達との上手い付き合い方とは「相手がどこまで自分のことを考えているんだろう?」「なんで私のことわかってくれないの?」なんてことを勝手に忖度(そんたく)したりしないで、ちゃんと相手と話し合うこと。そのような話し合いをすることを「課題の分離」では大いにすすめています。むしろ、このような話し合いができる関係が、本当の意味での友達関係なのでしょうね。

文学部: 八巻 秀(心理学科、臨床心理学)

おすすめ参考文献

嫌われる勇気
岸見 一郎/古賀 史健(著)ダイヤモンド社(刊)

青年と哲人との対話形式でアドラー心理学の考え方が描かれているベストセラーの本です。「課題の分離」についてもしっかりと取り上げられています。

アドラー心理学
八巻 秀(著)ナツメ社(刊)

対人関係の心理学と言われているアドラー心理学のエッセンスが盛り込まれている。漫画も織り込まれていて、アドラー心理学の全体像がスッキリわかる。

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