あなたが上手く付き合えないと思うような人は、本当の友達と言えるでしょうか。仏教の開祖ブッダ[釈尊（しゃくそん）]は、こんなことを言っています。

「何ものでも取って行く人、ことばだけの人、甘言（かんげん）を語る人、遊蕩（ゆうとう）の仲間は敵であって、友に似たものにすぎない、と知るべきである。」

それでは、本当の友達とはどんな人でしょうか。

「助けてくれる友、苦しいときも楽しいときも一様に友である人、ためを思って話をしてくれる友、同情してくれる友は親友である、と知るべきである。」

こんな友達と出会うには、自分もその人にとって本当の友達でなければなりません。まだ出会いがなければ、偽物の友達から離れ、自分を高める努力をすることです。

「われわれは実に朋友（ほうゆう）を得る幸を讃め称える。自分より勝れあるいは等しい朋友には、親しみ近づくべきである。このような朋友を得ることができなければ、罪過（つみとが）のない生活を楽しんで、犀（さい）の角（つの）のようにただ独り歩め。」

孤独に学業・趣味・家の手伝い・ボランティア・アルバイトに励みながら、自分が本当に求めているものは何か、考えてみましょう。その過程で、あなたは本当の友達と出会うのかもしれません。

仏教学部： 吉村 誠（中国仏教・唯識学）