学問Q&A

タイムマシーンがあったら、どの時代に行きたいですか?

仏教学部

駒澤大学の原点を求めて約360年前へ

本学の校歌にも謳われている「旃檀林(せんだんりん)」。「旃檀」は芽吹いた時から高貴な香りを放つ木であることから古くより珍重されてきました。「旃檀は双葉より芳し」ということわざは、優秀な人材は芽吹いた双葉のころ、つまり幼いころから人並みはずれて優れているさまを表す言葉として知られています。

本学の歴史はさかのぼること400年以上前、文禄元年(1592)に設立された「学林」に始まります。その後、僧侶の教育機関として大きく発展した学林を中国僧の陳道栄(ちんどうえい)が見学し、優秀な青年僧たちが集うようすを旃檀の林になぞらえたといわれています。これはまた、『証道歌(しょうどうか)』という有名な禅の詩文のなかの「旃檀林に雑樹なし」という句を踏まえたものです。当時の学林は、仏道に邁進する意欲に満ちあふれた若き僧たちが集まる場でした。学ぶことに目的意識を持てないような人は、そのなかにはひとりとしていなかったことでしょう。

もしタイムスリップすることができるなら、明暦3年、まさに「旃檀林」と命名される瞬間に立ち会い、駒澤大学のあるべき姿をこの目に焼き付けたいものです。

仏教学部: 山口弘江(中国仏教・天台学)

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