会社法の発展をめぐる旅へ
日本経済の発展に貢献している株式会社の数々。それらを支える「会社法」から考えてみましょう。この法は、明治時代に導入され、その後、法改正が繰り返されています。会社法は、株式会社に関して、会社経営者(取締役など)の義務や責任、新株発行による資金調達、合併、設立などについて規制し、株式会社の活動を促進すること、阻害しないこと、株主や債権者の利益などを考慮に入れて発展しています。
会社法は、皆さんにとって難しい法分野だと思います。しかし、例えば、新事業の開始、取引相手との契約締結、資金調達、事業の売却などに関して、会社の決定は、取締役が取締役会という会議を開いて行い、その決定に基づいて特定の取締役が具体的に会社の行為を行います。
私は、会社法が導入された時代に行き、そこから、重要な法改正があった時代を経て、現在に戻り、各時代の会社法を学んでみたいと思います。このことは、現行の会社法の教育や研究に一層の深みを持たせてくれると思うからです。
皆さんには、会社法を学ぶ第一歩として、株式や債権者の利益保護について考えてほしいと思います。皆さんも、具体的な株式会社の決定や行為について、新聞やテレビなどの報道で見聞きしているはずです。少し注意を向けて、株式会社についての報道を読むことや聞くことをしてみてください。その際、株主や債権者の利益保護のためにどのようなことができるだろうかということを考えてみてください。会社法を学んだことのない皆さんなら、柔軟な考えが出てくると思います。株式会社や会社法に少しでも興味を抱くようになったら、会社法を学んでみませんか。
法学部: 坂本達也(商法・会社法)