学問Q&A

どうすれば本番で緊張しないようになれますか?

仏教学部

姿勢・呼吸・心をととのえる

緊張は、心が引き起こします。心が緊張すると息が乱れ身体も緊張してしまいます。仏教の重要な修行である「坐禅」では、調身(ちょうしん)――姿勢をととのえること、調息(ちょうそく)――呼吸をととのえること、調心(ちょうしん)――心をととのえること、この三つ要素を大切にします。これを応用してみましょう。

まず、本番で緊張しないためには「心」をととのえることが重要です。そのためには当然のことながら、本番のための充分な準備は必要ですね。例えば自己紹介をするなら、何を言うのかを決めて、そして練習をしておく。プレゼンテーションなどでは、話の組み立てや時間配分などをしっかり考えておくのも大切です。充分に準備をしておけば必ず自信が生まれ、その自信が緊張を緩和してくれます。本番でのイメージトレーニングをするのもよいでしょう。

それでも本番を間近にして緊張してしまうことがあります。その時は、息をととのえます。仏教の修行でも「欠気一息(かんきいっそく)」ということをします。いわゆる深呼吸です。まず息をしっかり吐きます。そして息をおおきく吸って、少し下腹部に力をいれながらゆっくり吐き出します。これを何度か繰り返すとよいでしょう。心が落ち着いてきます。さらには、上半身や首を左右に揺すって身体をほぐすことも有効です。

さあ、自信をもって、“大丈夫だ、必ず上手くいく”と思って、本番に臨みましょう。

仏教学部: 角田 泰隆(曹洞宗学)

おすすめ参考文献

ここ一番に強くなるセロトニン呼吸法――スポーツからスピーチまで
有田 秀穂/高橋 玄朴(著)地湧社(刊)

脳科学者と禅ヨーガ指導者が、身体や呼吸、心をととのえる方法について説き明かします。基本的に元気を出す神経といわれるセロトニン神経。この神経の働きをわかりやすく解説しながら、この神経を活性化させる呼吸法のテクニックを教えています。

身心を調える――不安・迷い・焦り・妬みがスッと消える禅的習慣
太奇 俊也(著)日本実業出版社(刊)

曹洞宗の僧侶である著者が、坐禅の三要素である「調身」、「調息」、「調心」についてわかりやすく解説しています。さらには、「食をととのえること」、「生活をととのえること」、「環境をととのえること」の大切さも教えています。

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