医療健康科学部
「香り分子」で脳内スイッチをOFF
緊張すると心臓がドキドキして、顔が紅潮し、ときには手足や声が震えることもありますよね。これらは本能的に危険を察知して、脳が警報スイッチを押しているために起こる変化です。
では、その脳内スイッチを香りでOFFしてみるのはどうでしょう?
アロマセラピーって聞いたことありますね?Aroma(香り)でTherapy(治療)する、という事ですが、匂いを嗅いだだけで緊張がほぐれるなら、手軽で良いですよね。
匂い、というのは、物質(分子)がふわふわ~っと鼻の中に入り、そこにあるセンサーを刺激します。それが脳に伝わって、いい香りだな~、とか、臭いな~、とか、感じます。つまり、分子が鼻を経由して“脳を刺激している”わけです。どんな刺激を脳が受け取るかは、分子の構造によって決まります。警報をOFFにしてリラックスをONにしてくれる分子が見つかれば、その匂いを緊張しそうな時に嗅いでみてはどうでしょう。最近では、緊張をほぐしてくれる効果があるとされるアロマオイルも売られていたりするようです。ただし……、本番中にアロマオイルの匂いをかぐのは難しいから、休み時間かな!?
脳の活動は、医療現場で使われている装置を使って調べられます。興味を持った人は、卒業研究で匂い分子のリラックス効果を調べてみても良いかもしれません。
医療健康科学部: 岡田 朋子(生体機能関連化学)