文学部
緊張もあなたの証
緊張すると誰でも心や体が張り詰めた状態になります。強すぎる緊張によって心も体も苦しくなり、パフォーマンスも低下するなど望ましくない状態を引き起こします。
緊張をなんとかしようと、心理学では体をリラックスさせる方法や慣れを形成する方法など、さまざまなアプローチが開発されてきました。
緊張の強度を左右する要因のひとつに、その緊張を引き起こしている刺激をどのように捉えるかというものがあります。本テーマの「どうすれば本番で緊張しないようになれますか?」の背景には、「緊張は良くないもの」、「緊張はなくしたいもの」という考えが透けて見えます。それはある意味間違っていない判断ですが、緊張は誰にでもある自然な反応ですのでそれを排除することは不自然ともいえます。また、緊張をゼロにするということが現実的とも思えません。
緊張は辛いものですが、あなただけの体験であり、あなた自身の証でもあります。そんなあなたの一部である緊張とどう付き合っていくかを考えていくのもひとつの方法ではないでしょうか。
文学部: 遠藤 歩(臨床心理学)