人生万事塞翁が馬。緊張をいい糧にしよう
緊張は悪いことではありません。緊張には成功につながる良い緊張と失敗を招く悪い緊張があり、悪い緊張を克服する方法はふたつあります。
第1に、しっかり準備することです。中国には「彼(か)れを知り己(おの)れを知らば、百戦して殆(あや)うからず」という諺があります。ここで、大切なのは「彼(敵)を知る」ことではなく「己(自分)を知る」ことです。自身の弱点や欠点を認めることは苦痛ですが、自分と向かい合って今の実力をしっかり見極めましょう。そして、計画的に準備することで緊張は緩和できます。
それでも失敗を恐れ本番で緊張するようでしたら、「まな板の鯉」になれば和らげられます。自ら与えられた役割に徹し、相手の要求に対してただひたすらなすがままに任せるのです。
その結果、うまくいくこともあれば、失敗することもあるでしょう。若い頃は成功にこだわり失敗を恐れるものですが、本当に成功には価値があり失敗は無価値でしょうか。世の中には、失敗した人にしか得られないものもたくさんあります。「人生万事塞翁が馬」ともいいますが、成功も失敗もそれ程違いは無いもの。その結果にしっかり向き合い、次の一歩を進めることが大切です。
成功に向けて計画的に準備し、失敗を必要以上に恐れない、すなわち「人事を尽くして天命を待つ」という気持ちで悪い緊張を克服し、良い緊張へと変えていきましょう。
経済学部: 王 穎琳(中国経済論)