学問Q&A

10代のうちにやっておくべきことはなんですか?

経営学部

身体を鍛えるように脳も鍛えよう

筋道を立てて論理的に考える能力を鍛えよう、という提言です。知識を脳に詰め込むのとは少し違います。基礎体力に対する基礎脳力、身体を鍛えるのと同じで10代から意識して訓練しておかないと後からでは難しいような気がします。特に持久脳力、最初は分からないことでもじっくり考え、時間がかかっても理解し、答えを導き出す力。これには忍耐の要素も入っています。

では、何をすればよいのか。運動して疲れたけど充実感がある、それと同じ感覚になれるほど考えたり、悩んだりすればよいのです。自分にとっては少し難しい、あまりよくわからない、でもそこには何かがありそうだというものに時間をかけて取り組むのです。哲学、数学、自然科学など論理が中心にある分野の本や難しそうな評論などを読んであれこれ考えてもよいですし、CやBASICなどを使ったプログラミングも効果があると思います。自分は文系だから関係ないと思った人、それは大きな間違いです。例えば、会社経営は意思決定の連続であり、しっかりした論理的思考能力が備わっていなければ務まらないでしょう。先を見通す力も論理的な思考能力に裏打ちされたものです。もちろん受験にも役立ちます。

経営学部: 小沢 利久(マネジメント・サイエンス)

おすすめ参考文献

テアイテトス
プラトン(著)田中 美知太郎(翻訳)岩波書店(刊)

プラトンの対話篇を読むと言葉が思考の道具であることを実感できる。この本では、知識とは何かについて延々と議論していく。

科学と仮説
ポアンカレ (著)河野 伊三郎 (翻訳)岩波書店(刊)

この本の内容は数学や物理が元になっているが、仮説を立て、それを実証(証明)していくという作業は、社会科学の分野でも真理探究の基礎となるものである。

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