学問Q&A

10代のうちにやっておくべきことはなんですか?

法学部

社会への違和感を感じること

社会への違和感を感じ、他人とのトラブルに悩みましょう。

アルバイト先の売れ残り商品を自腹で買わされた、「女子だから大学は行かなくていい」と言われたなど、身近でおかしいと思うこと、ありませんか? 自分の周囲は平和だという幸運な方は、ニュースを見てみましょう。セクハラ・パワハラ、過労死、児童虐待、犯罪……何も感じませんか?

残念ながら、人間が社会を作れば、トラブルが生じ、少数派や弱者が生き辛さを感じることは避けられません。それを何とかして社会で共に生きていくために、法律というルールがあります。ルール違反の不当な行為に対しては、法律やそれに基づく制度を使いこなせれば、泣き寝入りせずに対抗できるかもしれません。不公平・不平等な制度に苦しむ人がいるのに何の対処もされていないのであれば、法律を変え制度を変えて、苦しむ人を救えるかもしれません。

社会へ違和感を感じ、不平等・不合理を見過ごせない熱いハートは、法律(あるいは他の学問)を勉強する最大の原動力になりえるでしょう。クールな印象の法律家ですが、若い頃に感じた不条理が志すきっかけになったという方も少なくありません。

法学部: 富樫 景子(刑法)

おすすめ参考文献

高校生からの法学入門
中央大学法学部(編)中央大学出版部(刊)

いじめ、SNSでの悪口、ブラックバイト……若者生活「あるある」について、法的に考えるとどうなるかがわかる本です。気合のこもった解説が難しい部分もありますが、大学で法学を学べば、スラスラ理解できるようになりますよ(宣伝です)。最初からおもしろい!と思う人は、迷わず法学部へどうぞ。

「死」の教科書――なぜ人を殺してはいけないか
産経新聞大阪社会部(著)扶桑社(刊)

人を殺してはいけない理由を尋ねられたら、どう答えますか。「法律で禁止されているから」という形式的な答えではなく、あなた自身の言葉で語ることができますか。自分の答えが通用しないとき、相手や社会が悪いと決めつけるだけでは、問題は解決しません。本書が示す実例を通して、あなたなりの考えを深めてみませんか。

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