法学部
法を通して社会を総合的に学ぶこと
普遍的(univers)権力である、ローマ教皇と神聖ローマ皇帝が特許状を与えることによって中世ヨーロッパで大学(University)は誕生しました。その特許状は、当時の宗教界の普遍的知識であるカトリック神学と人間社会の普遍的知識であるローマ法学を教えることに付随してさまざまな特権を付与するものでした。したがってヨーロッパでは神学部と法学部が存在しないと大学とは呼ばれません。日本の法学は、ローマ法・ヨーロッパ法の2500年の伝統から影響を受けています。紛争解決の実用知識を学ぶだけならば、大学以外でも学ぶことはできるでしょう。しかし、法の背景にあるものを学ぶならば、紛争相手方にも納得がいく、よりよい妥当な紛争解決をすることができるでしょう。紛争解決の実用知識を学ぶだけでなく、その背後にあるローマ法・ヨーロッパ法の歴史・思想、また現在の諸外国の経済規制を中心とした法制度を学ぶこと、つまり法を通して社会を総合的に学ぶことが、大学で法学を学ぶ意義です。このようにして大学法学部で獲得した「普遍的」知識を身につけたみなさんが、社会で大いに活躍されることを願っています。
法学部: 熊谷 芝青(民法)