学問Q&A

大学4年間で、どのようなことが身につきますか?

経済学部

意外にも人間関係を学ぶ学問です

経済学で人間関係がわかるというのは意外でしょうか?お金や商品を仲介にして人間関係が成り立っているので、お金や商品のことも学ぶのです。

およそこの世の中に存在する問題で経済学と無関係なものはひとつもないといえるでしょう。朝飲んだ牛乳を搾乳する農家はTPP交渉の行く末を見守っています。あなたの着る服はどこでだれによって作られているのでしょう。原発問題、福祉・介護の問題、少子化、環境問題、貧困や格差の問題など、現代社会を生きていくために知っておくべきこと、考えなければならないことが私たちの周りにはたくさん存在しています。

そのいずれもが、複数の原因と多様な登場人物で構成される推理小説のように難解な問題ばかりですが、それらを読み解くためには経済学の基礎を理解することが欠かせません。いわば経済学は推理小説に登場する主役である探偵役です。事件に慟哭し、過去にさかのぼって広く深く物事を検証し、事件の動機を探り、時には被害者や加害者の将来のことまで考え、ベストな選択ができる、そんな探偵が名探偵と呼ばれるのです。皆さんにも、是非、現代社会を読み解き、社会に発信できる名探偵になっていただきたいと思います。

経済学部: 姉歯 曉(消費経済論/消費社会論)

おすすめ参考文献

有閑階級の理論
ソースティン・ヴェブレン(著)高 哲男(翻訳)筑摩書房(刊)

美しいドレスを着て舞踏会で踊る金持ちたち・・・ヴェブレンは19世紀末に著したこの本でこう説いて聞かせます。地面を引きずるあのドレスは、とにかく高価で無駄なものをたくさん使い、動きにくいスタイルに仕立てることで「働かない」ことを見せびらかすために消費されると。この本を読むと表面だけ見ていてはわからない「真理」が見えてきます。

高校生からわかるシリーズ(資本論・イスラム世界・原子力)
池上 彰(著)集英社(刊)

ご存知、池上彰が書いた、いわば講義ノート。それぞれ講義形式で書かれている入門書。まずはここから勉強を始めてみてもよいのではないでしょうか。

top