経済学部
日本社会のグローバル化が急速に進む
日本に来る観光客の満足度はかなり高く、世界の都市のうち東京は旅行者満足度で、ニューヨークやパリを抑えて世界一となっています。街が清潔で治安が良く人々が親切だからです。それに対し、海外からの観光客数の国別ランキングで、日本は世界で15位です。観光客数はかなり増えてきていますが、満足度に比べるとまだ低い状況です。逆に言うと、うまくアピールすることによって観光客をさらに増やすことができます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、そうしたアピールを行う大きなチャンスとなるでしょう。その後、日本は観光立国としてやっていけるようになり、社会のグローバル化が急速に進むかもしれません。ただし、都市部と地方との格差があらゆる面で広がる中で、外国人観光客も今のところ東京、大阪、京都などの都市部に集中しています。都市部だけでなく地方の魅力も伝えていくことが今後の課題となります。それから、日本は旅行者として消費だけしている分には天国のような国ですが、移り住んで労働者として生活すると地獄のような国だと言われています。働きやすい環境を整えることは、海外の優秀な人々に日本で働いてもらうためにも必要なことです。
経済学部: 井上 智洋(マクロ経済学・貨幣経済理論)