学問Q&A

好奇心の正体はなんでしょうか?

法学部

本当に意味があるかへの「気付き」

先生は、法学部政治学科で政治心理学などを講義していますので、この問題を「若者が政治に関心をもち、参加する」といった事にひきつけてコメントします。
テレビ等で、時に「日本の若者は政治への関心や参加がない。困ったものだ。」といった趣旨のコメントがなされます。本当に日本の若者の政治関心や参加が充分でないのか、という事自体、検証を必要とする課題でもあるのですが、例えば直近の総選挙でも若者の投票率は、18・19歳平均で40.49%、20代では33.85%です。日本全体では53.68%ですから(こちらも余り高いとは言えないですが)、やはり「低い」ですね。20代以下の若者の実に6割以上が大事な国政選挙へ参加していない。これは、日本の民主制の将来にとっても大問題です。
理由については、是非大学に入って改めて考えて欲しいのですが、ひとつ言える事は、若者たちがその重要性と切迫性について、充分に「気付き」がないともみえる点があるという事です。選挙というものが、如何に重要で貴重なのか、そして参加しない事がどれだけ自分たちの「不利益」につながっているのか、大学に入り、その「気付き」を是非経験して欲しいと思います。

法学部: 富崎 隆(政治心理学)

おすすめ参考文献

18歳選挙権ガイドブック
川上 和久(著)講談社(刊)

日本でも、2015年より18歳からの選挙権が実現しました。
本書は、定評のある政治学者がこの18歳選挙権の実際と意義について平易に解説しています。
民主主義の歴史を振り返り、君たちにとっての選挙権の意義について是非考えて欲しいですね。

政治参加と民主政治(シリーズ日本の政治4)
山田 真裕(著)東京大学出版会(刊)

大学に入ってから学ぶ、高度なものも含まれていますが、『18歳選挙権ガイドブック』の、いわば上級編として、日本の民主政治の中で人々の政治参加がどのようになされてきたか、そしてそれが民主政治の中でどのような意味をもつか、という事についてより深く考えるきっかけにもなると思います。
是非チャレンジしてみて下さい。

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