学問Q&A

好奇心の正体はなんでしょうか?

文学部

「自由を恐れない」勇気です

『子どもは40000回質問する』という本があります。「知りたい欲望」が赴くまま質問するのは、楽しくてたまらないことなのでしょう。しかし学校で「正解を求める」勉強ばかりしていくと、正解ではない答えに関心を失ってしまいます。「知りたい欲望」が「正解を出す必要性」に変わってしまいます。正解のある問題は、それしか答えが選べないので「不自由」なのです。「正しくやらなければならない」と思い込むと、「正解のない自由さ」を不安に思うようになります。幸運なことに、世の中は正解のないことのほうが圧倒的に多いのです。自由を恐れない勇気を少しだけ出せば、「知りたい欲望」をきっとまた、取り戻せます。

文学部: 李 妍焱(社会学科 社会学専攻、市民社会論)

おすすめ参考文献

「自由」への入門
コリーヌ・ブレ(著)WAVE出版(刊)

日本語の「自由」に「楽しさ」は感じられない、と著者が指摘します。「宇宙や社会の中で自分自身でいるという文字どおりの自由は、日本人にとってハッピーなことではないのかな?」あなたなら、どう答えますか。

私の個人主義
夏目 漱石(著)講談社(刊)

夏目漱石の講演集。近代社会の形成原理を語り、個人と社会、国家との関係の論理を語り、文化の形式を語るまさに社会学的エッセー。今日の日本社会をより深く理解する手がかりが得られます。

top