経営学部
相手を受入れ、話を聴こう
このお題の前提には、「人の心を掴むには表情がわかった方が良い」、そして「マスクは人の心を掴むことを邪魔している」という考えがあるように思います。一方で、マスクがあまり影響を及ぼさない場合もあるのではないでしょうか? こんな風に言うと、このお題を考えてくれた人に申し訳ない気もしますが、前提条件を疑ってみること(批判的思考)も重要ですのでご勘弁ください。
人の心を掴みたいというとき、たとえば好きな人の心、プレゼンテーションのときの聴衆の心、そして部下の心など、さまざまなケースが考えられます。わたしは「経営管理論」という科目を担当していますので、今回は上司が部下の心を掴みたい、そして信頼関係を構築したいと思っているという前提で考えてみましょう。この場合マスクは邪魔になるのでしょうか? わたしはそうは思いません。
では上司が部下の心を掴むのに何が重要でしょうか? それは部下の話に耳を傾けることです。傾聴というと「表情豊か」に語ることと違い、少し受け身な感じがするかもしれませんがそうではありません。傾聴のベースは受容的精神です。部下の存在を受け入れ、真摯に耳を傾けることによってはじめて部下の心が開かれます。相手の心が閉じられているのに、心を掴むことはできませんよね。相手を受け入れ聴くことができれば、マスクはどちらでもよいのです。
経営学部: 渡辺伊津子